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修理日報
スロットルボディーO/H
前にも書いたかもしれないが,この車を中古で買ったとき, あまりの不調にディーラーにいろいろ見てもらったのだが, 結局思ったように改善はされなかった. 仕方ないので自分でエアインテークのサージタンクをばらしてみたら 空気が入るはずの所に,どろどろのオイルがいっぱい溜まっていたのである. しかもサージタンクの底の方にはアイドリング用のエアーの取り出し口があり ここから少量ずつではあるが,燃焼室の方にオイルを吸い出していた痕跡もある. でもって,このサージタンクは取り外して奇麗にし, スロットルボディーも車上で手の届く範囲では清掃を行った. AE101という車は4連スロットルになっており,各汽筒にバタフライ状の スロットルが付いている.これによりアクセルレスポンス,吸気抵抗などが 改善され,より高回転エンジンに仕上がっているわけであるが,,, 4つがバラバラという事は,当然バランスの崩れやすさもめちゃくちゃ高いわけで, ひとたびバランスが崩れると,スロットル開度が大きい時は良いが 絞り気味の時に汽筒間の燃調がめちゃくちゃになってしまう. というわけで,サージタンクの汚れから推測するスロットル内の汚れ清掃と スロットルバランスを調整し直すという目的で, スロットルボディーO/Hを敢行したわけである. #長い前置きだ 実は以前にもここを外そうとした事は数回あったが すべて敗北に終わっていたのである. 原因は,ボルトが回せないという,情けないものである(^^; 修理書を見る限り,スロットルボディーを外すには,サージタンクを外してから サージタンクステーなるものを外し,その後スロットルボディーとエンジン本体を 繋いでいるボルトナット類を外せば良い事になっているのだが, どうも実際に作業をしてみると様子が違う. 外せと簡単に片づけられているサージタンクステーの取り外しが どう考えても,スターターを外さないと不可能なのである. しかして,スターターを外すべく,ボルト2本の取り外しに掛かったわけであるが 1本は外れるが,もう1本が外れない(;;) パイプ延長テクノロジーを使おうにも,あまりにも作業ポイントが深部な為 不可能. またもや挫折なのか...くぅー しかしここで負けるわけには行かない. そもそもサージタンクステーは2本あり,1本は外せてある. 後1本の,しかもエンジンブロック側のネジさえ緩めれば良いのである #スロットルボディー側は既に外せているので. しかしやはりスターターが外せないとボルトに工具をかます事は不可能. ここで一つひらめいた. ステーは単なる鉄の板であり,回り止めなどの細工は一切無い. つまり今はエンジンにネジ1本で止めてある板状態である. そして,ボルトを支点にして,ボルトを緩める方向に板を振れるだけの余裕が 何とかある... ニヤリ 工具箱からおもむろにプラハンを取り出し,コンコンとボルトの緩む方向に 板をたたく... ずれた.サージタンクに干渉しない位置までずれたのである. かなりの強硬手段であったが,ボルトを緩める方向に回しているので 特にストレスは掛かっていないし,まだボルトは締め付けトルクを保持している状態なので 組みつけの時には逆の要領でステーを元の位置に戻せば,ボルトも本来の締め付け状態に 戻り,一件落着なのである. さてさて,そうこうしてようやくスロットルボディーが外れた. ついでにISCV(アイドルスピードコントロールバルブ)も外して掃除する事にする. 初めて見る愛車のインテークバルブは... うーん...バルブ自体は奇麗だけれど,ヘッド側のマニホールド部分が めちゃくちゃ汚いぞ... いったい前のオーナーはどういうオイル管理をしていたんだろう... 他の部分への悪影響がより一層心配になってしまった. さすがにガソリンが吹き付けられている中央部分はスラッジの付着もなく 地肌の色が見えているのだが,3つあるバルブのうち左右2つのバルブの ステムシールが入っている部分の汚れが酷い. キャブレタークリーナーを吹きかけてちり紙(本当はいけないのかな?)で フキフキするが,何回やってもまっくろくろすけである そもそもインテーク側つーのは空気&ガソリンしか通らんはずなのに, なんであんなに汚れるんだ??? まー確かにTDC付近の排気サイクル終了時はバルブオーバーラップ期間があり 多少のブローバイガスがイン側に来るのもわからんでもないが... 今回は時間が無かったのである程度汚れをさらった程度で終わってしまったが いつかヘッドを降ろす時には,ぴかぴかにしてあげる事にしよう. おっと,話がそれている.今回はスロットルボディーの話であった. ようやく取り外せたスロットルボディーであるが,上流側(バタフライよりも)は まえにも何度もばらして奇麗にしているので,あまり汚れは目立たない. 問題は,下流側である. 覗き込んでみると...やっぱりきたないー 掃除のしがいがあるというものだ. 雑誌でも定評のあるKureのキャブレタークリーナーでガンガン掃除をする. 本当なNissan純正のエンジンコンディショナーを試したかったのだが 近場で入手できなかったので,今回は見送った. まずバタフライの裏側...真っ黒である. てっきり裏側は黒く塗装してあるのかと思ったくらい奇麗に黒かったのだが クリーナーを吹きかけると見る見る真鍮色の地肌が現れる. はっはっは(^^; 続いて,内壁. これもスプレーして,ちり紙で丹念に拭き取り. それから,チャコールキャニスターから来る気化ガソリンを 各汽筒に分配するパイプと,小さい穴を掃除. ここで4番汽筒に行くゴムホースに穴があることを発見. 取り外しの時に付けてしまったのか,元々あったのかは不明だが とりあえず少し短くして穴がパイプ部分に隠れるように応急処置. 更にスロットルバランス調整用の経路もあるのだが,これは残念ながら スロットルボディー4つをインテークマニホールドから外さないと 掃除できなさそうだったので,時間の関係から,今回は見送り. 後,アイドル系のエアーを4汽筒に分配し,なおかつ汽筒間のバランスを 取り直すためのバランスパイプなるものがあるのだが, ここは車上からも掃除できる場所なので,後日に回し, 次のメインイベントである4汽筒のスロットル調整に入る. スロットルボディー1つ1つにストップスクリューが付いていて, 当然の事ながら単品における完全クローズ位置に調整されている(はず) 今回は設備の関係から,このストップスクリューの調整は行わず 4つのリンクの調整を行った. アクセルワイヤーが駆動するスロットルはNo2であり, No1,No3,No4はそれぞれ,No2,No2,No3からリンクで繋がれて 従属的にスロットルが開く仕組みになっている. 整備書の調整要綱を見ると,当然No2スロット全閉の時はNo2のストップスクリューは 突き当たっているので,ここは調整の必要はない. No1スロットはNo2スロットが全閉の時に,理想的にはやはり全閉で, No2スロットルが少しでも開いたら,同じタイミングで開くようになるべきであるが, さすがにその調整はばらつくと考えてか,多少バランスを犠牲にして No2が全閉の時にNo1のストップスクリューに0.03mmのクリアランスがあるようにと 書いてある. 他のNo3,No4スロットに関しても同様であった. しかし,せっかく調整のしくみを完全に理解しているのであるから, ここはぎりぎりを狙うのが漢というものであろう. というわけで,ひたすらぎりぎりカツカツの調整を敢行した. ちなみに調整前の状態であるが,どの汽筒もマニュアルから著しく調整がずれており 2番汽筒が一番最初に開き,次の1番,3番,最後に4番が開くというお粗末さ. トヨタのディーラーめ,調整し直したとか言ってたくせに, ペイントロックを塗り直した痕跡すらないぞ... スロットルポジションセンサーの診断もロクに出来ないうえに, 嘘まで言うとは...まったくもってイヤハヤである. 閑話休題 調整のずれから推測すると2番汽筒がアイドル時に一番燃調が薄く, 4番が一番濃い事になる. もっとも,アイドル時に関しては,これとは別にアイドルバランス調整用のネジがあり これで流入量を合わせてあるので,あまり関係ないのだが,小絞り時には やはり4番汽筒の燃調が一番濃くなるのは容易に予想可能であった. その予想を裏付けるように,4番汽筒のプラグのすすは他の汽筒よりも柔らかく,量も多い. これを調整するだけでも燃調が少しは良くなる事は明白である. というわけで,無事調整も終わり,ヘッドへ組み付けて 無事O/H終了と相成ったわけである. ちなみにO/H後のフィーリングであるが,スロットルを少し開けたくらいの時の挙動が O/H前に比べて,確実にスムースになっている. ここらへんは,バランス調整の取り直しが原因と思われる. まあ,まだ時間の関係でアイドリングバランス調整を行っていないので それを行ってしばらく乗ってから,各汽筒間の燃焼状態などを見たいと思う