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修理日報
空燃比フィードバックモニターの怪
トヨタのEFI車の多くは,ダイアグノーシスコネクターの中のVF端子が TE1-E1ショート時には空燃比フィードバック状況のモニターとなり, TE1-E1開放時アイドル接点ONで空燃比フィードバック補正量モニターになる. 要するにO2センサーを暖機したあとにVF端子電圧を測って 2.5V付近であれば燃料系,エアフロ系はEFIコンピューターが期待すべき状況に 近くなっており,それより低いときはEFIコンピューターはリーン(にする)制御, 高い時はリッチ(にする)制御になっているという事である. 例えば何らかの原因でインジェクターの能力が初期値よりも低下したりすると EFIコンピューターが計算通りの噴射を行っても,噴射されるガソリンは 理想量よりも少ないのでO2センサーからはリーン信号が出され,それにより EFIコンピューターは,インジェクターの噴射量を計算値よりも増加して これを補う訳であるが,このときにVF端子にその補正状況を出力する (この場合2.5Vより高い電圧,つまり濃くする=リッチ補正)訳である. さてさて そう言えばこの車を買った時にいろいろ調子が悪くてディーラーに見てもらった時に ディーラーのおっちゃんが "燃料が濃いからとりあえずインジェクターとO2センサーを交換した" とのたまわっていたが,その時になんとなく誤魔化すような感じで,直ったとは 言っていなかったのを思い出した. そのときはまーあまり気にしていなかったのだが,この端子電圧を測って見て おっちゃんのなんともふに落ちない行動がはっきりした. マニュアルどうり,TE1-E1をショートしてテストモードに入れ,2500RPMで 暖機を開始.数十秒後にVF端子電圧が0V-5Vを行ったり来たりし始めて, EFIコンピューターがO2センサー出力を元に空燃比のフィードバック制御を 開始した事が確認される. ここでO2センサーが冷えないうちにTE1-E1を開放して,VF端子の電圧を見てみると... 先ほども述べたように規定値は2.5Vで,許容範囲は確か±0.6Vであるから 少なくとも1.9Vから3.1Vの中くらいに入っていてくれないといけないのだが,,, 何と,0.9Vである. AE101はLジェトロニック式なのでエアフロメーターのバイパス経路のネジを調整する事で 若干の空燃比基準信号の調整が出来るが,これを締め切ろうが緩めきろうが 到底2.5Vなんて数字には近づきはしない. しかも不思議な事に,締めすぎると0Vになってしまうし,あるポイントまでネジを緩めると 0.9Vと0Vをぱたぱたするというわけのわからん挙動を示す. もしかしたらAE101から空燃比フィードバック状況モニターの機能が削除されたのかと思い とみーさんのAE111で計ってみると...見事に2.5Vである... うーむー... トヨタのディーラーが,エンジンコンピューターをえらく丁寧に調べていた理由が なんとなく分かった気がする... 一見まともに動いているようだが,センサー系かコンピューターか,確実におかしい. 0.9Vという事は異常なほどのリーン制御である. つまりコンピューターに知らされたエアフロメーターの出力が, 実際の空気流入量よりもえらく少なく入力されているか, はたまたあるいはインジェクター開弁時間に対する噴射量が 予期したものよりもかなり多いのか, それとも,水温センサーが低温を示したままになっているのか 吸気温センサーが低温を示しているのか... 謎は深まるばかりである. とりあえずEFIコンピューターへの各センサーの入力電圧チェック, その次にEFIコンピューター単体取り外して,ばらしてチェック. 更に考えられるのは,燃料のプレッシャーレギュレーターの不具合? エアフロメーター(前ばらしたんて掃除したんだけどなぁ...)と 水温センサーのチェック...位しかやる事が無い. そもそもO2センサーとインジェクターは新品に交換したはずだから 問題ないはずだし... てことで,待て次号!